年 |
できごと |
内 容 |
1820 |
エルステッドが電流の磁気作用を発見 |
ヴォルタ電池に白金線をつなげて電流を流し、その上下に磁針を置くと磁針が振れるのを確認した |
1820 |
ビオとサバールによるビオ-サバールの法則の発見 | エルステッドの発見に触発され、サバールとともに電流の強さと電流が流れる針金の形とから、その周囲の磁界の強さと方向を与える式を求めた。 |
1820 |
アラゴーが電磁石現象を発見 | 鉄棒に導線を巻いて電流を流すと鉄棒は磁化されることを発見した。 |
1820 |
アンペールが通電導線相互間の反発・吸引現象および右ねじの法則を発見 | 並べておいた2本の導線に電流を流すと、電流の向きが同じならば引力、反対ならば反発力が働くことを発見した。 |
1821 |
ファラデーが電流と磁石の間の相互作用の実験を行う | 電流の流れている針金と磁石を近づけることによって針金の連続回転、または磁石の回転を行わせた。モーターの原理の基礎になった。 |
1822 |
ゼーベックが熱起電力効果(ゼーベック効果)を発見 | 2種の金属線の両端を結び合わせ、その接続点に温度差を与えると電気が発生することを発見した。 |
1822 |
アンペールが2つの電流間に作用する電流動力作用の法則の発見 | 2つの電流間に作用する力の強さは両電流の積に比例し、距離に反比例することを確認し、このことを示す数式を導いた。 |
1823 |
スタージョンが電磁石を発明 | 偶然のことから、鉄心に導線を巻きつけて電流を流すと導線全体が強い磁石になることを発見した。 |
1824 |
アラゴーによる回転銅板の磁針への作用の発見 | 磁針あるいは磁石を銅板の平行面内に回転しうるようにつるし、銅板を磁石あるいは磁針の近くで回転させると、磁石や磁針も回転を始めることを発見した。 |
1824 |
ポアソンが磁界の強さと磁気能率との関係式を提唱 | 磁界の強さと磁気能率との関係式をM=μH(Mは磁気能率、Hは磁界の強さ、μは比例定数)を提唱した。 |
1825 |
ノビリが検流計の改良 | 電流のそばに磁針を設置して、その振れによって電流の大きさを測る。 |
1825 |
オームがオームの法則を発見 | 2点間の電圧はその間を流れる電流とその間の電気抵抗との積で表されることを突き止めた。 |
1826 |
ファラデーが電磁誘導を発見 | 2つのコイルを近づけておき、一方に電流を流すと他方にも誘導電流を引き起こせることを発見。 |
1831 |
ファラデーが磁石の運動による起電力の発生現象を発見 | コイルに磁石を近づけたり、遠ざけたりすると電気が発生することを発見した。 |
1831 |
ファラデーが発電現象を発見 | アラゴーの円板を回転させ、そこから連続的に電流を取り出すことに成功した。 |
1831 |
ヘンリーが電信機に関する原理的実験を行った | 導線の先に小さな電磁石を取り付け、他端に電池を結びつけて、電鍵(電気回路を開閉して信号を送る装置)によって符号電信を送り、それによって電磁石を遠隔制御する実験を行った。 |
1832 |
ガウスによる磁界の絶対測定 | ガウスは磁気の強さを力学的単位である長さ(cm)質量(gr)時間(sec)だけの計測で間接的に求めて、互換性のあるものにした |
1832 |
ヘンリーによる自己誘導の発見 | 導線の作る回路の電流が変化するとき電磁誘導によって回路内に起電力が生じる現象を発見した。 |
1833 | ガウスとウェーバーによる電磁式電信機の発明 | 導線で相手に電流を送り、電流の有無によって磁石を動かすようにしており、5本の導線と5個の磁針を用いた。 |
1834 |
レンツによるレンツの法則の発見 | ファラデーの電磁誘導の法則をさらに具体化した。1つのコイルを貫く磁力線の数が変化するとき、電磁誘導によってコイルに起電力が生じるが、この起電力の向きはコイルを貫く磁力線の数の変化を妨げる方向にある。 |
1836 |
ダニエルによるダニエル電池の発明 | ガラス容器の中に素焼きの円筒を置き、円筒の内側に硫酸亜鉛水溶液と亜鉛棒を入れ、外側には硫酸銅水溶液と銅板を入れて構成した電池。ヴォルタ電池に比べ安定した電圧が得られた。 |
1837 |
ファラデーによる近接作用説の提唱 | 電磁石の上に鉄粉を散布し、鉄粉の並び方、広がり方などを図面にしたり、種々の電媒質における感応を調べたりして、それまでの「遠隔作用説」は考えにくいとし、電気や磁気は媒質によって運ばれるとする「近接作用説」」を提案した。 |
1837 |
ホイートストンとクックによるホイートストン電信機の発明 | 盤面に5個の自身を並べ、2個の張りの動きを組み合わせて、それぞれの針が振れるか振れないかの判別で1文字を構成する5針式指示電信機である。ロンドン〜カムデンタウン駅間で実用化された。 |
1837 |
モールスによる電信機の発明 | 電磁石で鉄片を動かし、それに連動する紙送り機構とインクペンを備えており、信号方式はトン・ツーのモールス信号が開発された。 |
1839 |
ファラデーによる物質の半導体的性質の最初の発見 | 電極間の硫化銀に光を当てると伝導性が急に増し、低温では抵抗が高くなることを発見した。 |
1840 |
ファラデーによるエネルギー恒存の考察 | ヴォルタ電池の起電力の原因に関する詳細な検討の中で、力(エネルギー)の形態は変化するが、ある力の消耗あるいは補給がなくては新しい力を創造することはできないと考えた。すなわちエネルギー保存則への洞察である。 |
1844 |
ワシントン〜ボルチモア間に最初の実用電信線開通 | 1837年のモールス実験機の実用化である。 |
1845 |
ファラデーによる反磁性の発見 | ホウケイ酸鉛ガラスを強力な磁石の間につるしてみたところ、通常の鉄ならば磁力線方向に沿って位置するのに、それは直角方向に位置した。それまで磁性を持たないと思われていたガラス、石英、方解石、その他も強い磁気のもとでは同じ性質を示したので、それらを反磁性体とよんだ。すべての物質が磁性を示し、磁性体か反磁性体かであることがわかった。 |
1845 |
ファラデーがファラデー効果を発見 | ホウケイ酸鉛ガラスを強い磁気中におき、磁力線の方向に偏向光線を通すと、光の偏向面は、偏向面が磁気の強さに比例して回転した。 |
1846 |
ファラデーによる光の電磁波説の着想 | 多くの実験的経験から、光や熱放射は電気磁気の振動であるとの考えを公表した。光の電磁波説の予見である。その後、磁力線、電気力線など、場の考えを探求し、マクスウェルとの意見交換も行った。 |
1846 |
ウェーバーによる静電単位の決定 | 1832年のガウスの磁気単位と同じ基本単位、長さ(cm)、質量(gr)、時間(sec)を用いて静電単位を決定した。 |
1847 |
トムソンが電磁気現象に関する数学的表現の論文を発表 | 非圧縮性流体を取り扱うのと同じ手法で、電気力、磁気力及び回転の数学的取り扱いを行った。 |
1850 |
ガウスによるガウス単位系の提唱 | ガウスの磁気単位系とウェーバーの静電単位系を結合した単位系を提唱した。 |
1851 |
ウェーバーによる電流・電気抵抗の絶対測定 | 固体コイルの間に2本の可動コイルを配置して、その振れ角から電流を測定する。アンペールの法則の活用である。 |
1851 |
リューンコルフによる感応コイルの発明 | 電流を断続させて高電圧を得る装置。真空放電実験などで重要な役割を果たした。 |
1851 |
ドーバー海峡海底電信線敷設 | 産業の発展とともに、海外との電気通信が要求されるようになり、陸上での電気通信の経験の蓄積をもとに、海底電信線敷設が開始された。 |
1857 |
大西洋横断海底電線の敷設事業開始 | アメリカの巡洋艦ナイヤガラとイギリスの汽船アガメノンが海底電線の敷設にあたった。1858年に敷設は完了したが、絶縁破壊により通信不能になったりして、改良のすえ、1865年に実用化に成功した。 |
1856 |
ウェーバーによるc.g.s.e.m.n(電磁単位)系の提唱 | 1846年の提案の後も努力を重ね、磁気のクーロンの法則によって磁荷を決定して磁気単位系を組み立て、他方、電気単位系はビオ-サバールの法則とファラデーの電磁関係式から決定していく方法である。 |
1856 |
マクスウェルが「ファラデー力線について」の論文を発表 | 電磁気現象に関する数学的論文である。 |
1861 |
マクスウェルによる電磁場理論の発表 | 電磁気現象に関する数学的表現である。 |