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ガルバーニの発見

Luigi Galvani(ルイージ・ガルヴァーニ)1737年9月9日〜1798年12月4日Luigi Galvani(ルイージ・ガルヴァーニ)1737年9月9日〜1798年12月4日

ガルバーニ電気の発見

ボローニャの医者であったガルヴァーニは、1762年ボローニャ大学の医学教授に就任、1775年、同大学の解剖学教授となり、鳥類の聴覚器や泌尿器・生殖器の比較解剖学的研究で有名になった。

1780年11月、カエルの解剖をする際に切断用と固定用の2つのメスをカエルの足に差し入れるとこれが震えるのを発見。カエルの足の中に電気が起こるのを見つけた「ガルヴァーニの発見」は電気に関する発見の口火となった。
ガルヴァーニは、1791年に De viribus electricitatis in motu musculari commentarius(筋肉の運動による電気の力について)を著し、上述の現象は生物の中に電気が蓄えられる動物電気によると推論をたてた。

ガレノス以来、筋肉が動くのは神経が何らかの液体を運び、筋肉を膨張させるためだと考えられていた(balloonist theory)。ガルヴァーニの発見はこれを否定するもので、電気と筋収縮に関係があることを明らかにしたものである。

ガルヴァーニは筋肉を収縮させる力を「動物電気 (animal electricity)」と名付けた。ガルヴァーニや同時代の科学者らは、神経によって運ばれる電気流体が筋肉の収縮を起こすと解釈した。この現象をアレッサンドロ・ボルタがガルヴァーニにちなんで galvanism(ガルヴァーニ電気)と名付けた。
今ではこのような生物学的現象の研究は電気生理学と呼ばれており、galvanism は歴史的な文脈でしか使われない。